大学での履修(りしゅう)登録とは? 履修相談会や 卒業に必須な必修・選択必修などなど

大学での履修(りしゅう)登録とは? 履修相談会や 卒業に必須な必修・選択必修などなど

SNSには,2021年度に進学するフレッシャーズによる「#春から〇〇」が見られるようになりましたね。皆様に素敵な春が訪れますように祈っております。

さて,新居や遠隔授業に備えたノーパの購入は着々と準備を進めているでしょうから,大学1年生にとっての一番初めの関門である【履修登録】について,一般的な説明を投稿しておきます。

この投稿の内容を読んだうえで,参加すると少しはマシだと思います。

新入生が必ず不安を覚える履修登録とは?

【履修登録】とは,「大学で受講する科目を【自分で】選択して,大学に申告すること】です。

つまりは,大学での講義の【時間割】を自分で決めることです。

大学の授業時間割って自分で決めるんですよ!

小中高の授業時間割は,入学時にクラス毎に決まっていたかと思います。あの時間割は,先生たちが協力して,生徒たちが卒業認定を取得するのに必要な授業時間割を生徒たちに代わって考えてくれていたんです。

大学生になったということは,卒業認定を取得するのに必要な授業時間割自分で考える必要があるということです。

新入生ガイダンスと履修相談会の重要性

これまでの受験を癒す入学式と同時に,4月初旬には「新入生ガイダンス」と「履修相談会」がどこの大学でも必ずあります。

大学生で自由に色々決めることができますが,このふたつは必ず出ましょう。

慣れてくれば気が付きますが,高校と大学の大きな違いのひとつに【情報の取得】があります。

情報の取得

高校までは,担任の先生が【写真付きの名簿】をもって,クラスごとに割り当てられた【教室】で,ホームルームの時間に【いろいろな情報を伝達】してくれたかと思います。

一方,大学では教授陣は【写真付きの名簿】を持っていませんし,【教室】も【ホームルームの時間】もありません。

つまり,大学生は自ら情報を取りに行く必要があります。

主としてメールや学内Web掲示板などです。

※教室のような滞在できる場所はたくさんあります。カフェとか図書館とか。また,当大学のように,専任教員が高校の担任のように学部1年生を担当するシステム等もあります。このようなシステムがある場合は,その担当の先生にいろいろと尋ねましょう

お話を戻しまして,

大学生になると情報は自ら取りに行かないといけなくなります。

この「履修」については,一度経験すれば理解できるのですが,「説明だけ聞いていても良くわからない!」と新入生の皆さんがよく言っています。

履修についていえば,

  • 同じ大学の同級生の新しい友達に聞いてもわからない。。。
  • 大学によって微妙に違うので,他大学の高校時代の友達に聞いてもわかるはずがない。。。
  • 保護者の頃とはだいぶ履修登録のルールが変わっていて,保護者もわかりません。例えば,今の履修できる科目数に上限が設けられています。。。
  • 原則,同じ学部同じ学科の先輩じゃないとあまり意味がない。
  • 毎年、微妙に変わるので、先輩も間違えることがある。
  • 教職は別に登録する必要あり。。。

履修について,この世界で唯一頼りになるのは「履修相談会」と「教務課の職員さん」だけです。

大事なのでもう一度言うと,「履修相談会」と「教務課の職員さま」。

この履修登録を通して,「大学生になったな~」と実感する学生も多いように思います。

では,なぜ?この履修登録が新入生にとって一大イベントなのか?

履修相談会なるものを設けているのか?


鍵は,前述のとおり【卒業認定を取得するのに必要な授業】がキーワードです。。。

単位

授業には,「単位」が設定されています。この「単位」の取得数によって【進級】や【卒業】が決まります。つまり,明確なルールがあります。

例えば卒業に150単位が必要であれば,150単位【以上】取得をしていないと卒業できません。

1単位足りない149単位では卒業できません。

1単位なんだから,まけてくださいよ~」は通じません。

というのも,皆さんが大学卒業時に取得する【学位】は世界で通用するものです。

なぜ?世界で通用するかというと,文部科学省等のルールのもと,どのようにすれば学位を授けても良いかをいろいろと試行錯誤したうえで決めたものです。

そのため,1単位でも足りなければ卒業ができないということです。

卒業に必要な単位数がない場合は,もう1年・あるいは半年間大学に通って卒業に必要な足りない単位数を取得する必要があります。

このように大事なことですので,大学側も新入生向けに「履修相談会」を設けているわけです。

続いて、単純に卒業に必要な単位数を集めればよい!というわけではありません。上記の例で言うと、150単位をやみくもに取ればよいというわけではありません

授業科目の種類

時間割は自分で決めるといっても、専門性のある学位を取得して卒業する以上「制約」があります。

皆さんが4年生で卒業時に【専門の学士の学位】を取得する以上,学ばなければならない科目が設定されています。

当コースであれば,理工学部の【学士】を取得できます。

理工学部 および 応用化学 に関する単位を取得する必要があります。

大学によって多少の違いはありますが,ほとんどの大学で授業はおおきく三つに分けることができます。

  • 必修科目:卒業のために必ず単位取得しなければならない授業
  • 選択必修科目:選択可能な科目群で必ず単位取得しなければならない授業
  • 自由科目:自由に受講しても良いが必ず単位取得しなければならない授業

最低単位数

三つの科目には,それぞれ卒業までに取得しなければならない【最低単位数】が決まっています。

例えば,先ほどの150単位の卒業を例にすると,例えば必修科目が80単位、選択必修が60単位、自由科目が10単位のように必要な最低単位数があるということです。

これで,80+60+10=150単位ですね。(※それぞれの科目の最低単位数は大学・学部・学科で異なりますので、注意してください。)

なぜ,それぞれの科目で必要な単位数が決まっているかというと、【専門の学位】を取得することにつながってきます。

卒業時に【理工学の学士】を取得するとして、【理工学」にふさわしい科目があります。

看護や建築の科目ばかりをとっても(そもそもたくさんとれませんが),理工学の学士にはふさわしくないですよね。

理工学の学士にふさわしい専門の科目を学ぶ必要があるということです。

この最低単位数を取らなかった場合どうなるのか?

例えば,先を例にして、必修科目を90単位・選択必修を60単位・自由科目を0単位を取得すると,合計で150単位ですが,自由科目が10単位に満たしていないので,卒業できません

最低科目数を満たしていないため卒業できません!

あるいは,必修科目を92単位・選択必修を55単位・自由科目を18単位を取得すると,合計で165単位です。卒業に必要な【総】単位数150単位を超えていますが,選択必修の最低単位数60を満たしていないので,卒業できません。

卒業できません!

総単位数を超えていても、各科目の最低単位数を超えていないと、卒業できません。

そのため、当ラボでは、学部4年の春学期の成績が出た時点で配属学生間でクロスチェックをして確認しています。

この科目は「必修科目だっけ?選択必修だっけ?」みたいな感じです。

※学部学科によりますが,選択必修の科目を4単位分は自由科目の単位に振り分けれる!みたいなルールもあります。自分の都合の良い情報を鵜吞みにせずに,必ず自分で確認しましょう。

履修相談会で「何を尋ねるか?」

これまでの内容で、履修相談会の重要性が伝わったかと思います。大学や学部によっても【卒業するのに必要な履修の条件】が異なります。

そのため、履修相談会で最低限確認しておくことは,

  • 卒業までに必要な総単位数
  • 各科目の最低必要な単位数
  • どの科目がどの科目群(必修・選択必修・自由)に分類
  • 学部1年時のモデル時間割

1年間で申請可能な科目数に上限あり

私のころにはなかったルールです。

保護者の皆様の頃にもなかったかもしれませんが,現在どの大学でも1年間で申請できる科目数(単位数)に上限があります。

このルールのために,進級できずに【留年】します。

例えば,卒業までに120単位必要なルールだとします。

4年間で卒業するためには,1年間で最低30単位取得(120単位÷4年間)する必要があります。

しかし,1年間で履修できる単位数の上限が40単位だった場合,

1年目で5単位・2年目で10単位しか取得しなければ,単純な引き算で残り2年間で105単位を取得する必要があります。

105単位を2年間で取得するには,1年間で52.5単位ですが・・・・

しかし,1年間で履修できる単位数が40単位のために留年が確定します。

計画的に単位を取得する必要があります。

最後に

合格おめでとうございます。初めの頃は,みんなが友達を作りたがっています。新入生ガイダンスに出席して,新しい友人と時間割(履修登録)について悩むのもキャンパスライフのひとつです。

先輩から授業についていろいろな情報を集めるもよし,学部4年間は皆さんの成長に思う存分使い切ってください。

その過程において,我々の研究室が携われることができればこの上なく楽しく思います。

※本投稿は,国内の大学に適用できるように書いています。しかし,大学あるいは学部独自のルールがありますので,必ず教務課や自身の所属する大学の先生に確認しましょう。

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