化学工学会 第28回学生発表会@Zoom と 万年筆

化学工学会 第28回学生発表会@Zoom と 万年筆

2026年3月7日に 第28回化学工学会学生発表会@Zoomが開催されました。

毎年恒例のZoomの中に入って発表するスタイルです。

Zoom発表のデメリットは,画面に向かって話し続けることです。座長さんも気を使って画面OFFにするので、聴衆の反応が読めませんし、何やらさびしいものです。

画面の中にいる自分に話しかけることで少しは解消できているかな。

Zoomは便利なんですが、やっぱり対面のほうが良いですね。。。。

いざ、発表!

▼ 今年は6名の学生さんが発表しました。

層間長鎖アルキル基をもつMnO2による染料吸着のアニオン選択性とメカニズム解明

片岡 颯馬松井 誠実・友野 和哲

吸着に関する研究ですね!

※発表時間がかぶったので別の場所で。

アシッドレッド18を吸着させた層状マンガン酸化物膜のキャパシタ特性評価

小林 百華山口 莉音松井 誠実・友野 和哲

吸着キャパと言う新材料に挑戦中です!

Ru錯体を挿入した層状MnO2陽極におけるPt陰極での水素生成および光依存性の影響

佐野 隼斗佐々木 涼・友野 和哲

水素発生触媒の開発班ですね!

層間Co錯体をもつ層状MnO2正極材とする水系電池の充放電評価とEIS解析

佐野 諒花谷 明信・友野 和哲

イオン電池班ですね!

EIS解析を用いた層状MnO2キャパシタにおける電荷補償機構の解明

菅原 涼太・友野 和哲

キャパ班ですね!

光照射下における層状 MnO2の層間レドックス反応を利用したコンゴーレッド分解の促進

東 夏未・松井 誠実・友野 和哲

吸着班で、光による分解促進ですね!

みなさん、とても良い発表でした!!

頑張ったで賞

学会発表後には、「卒業論文発表会で発表して偉い!で賞」として、万年筆を贈呈しました。卒業式の日だと、何かと荷物が多いので,事前に渡すようになりました。

万年筆

卒業生には万年筆を贈っています。万年筆を贈ることは「実用品」以上の意味を込めています。万年筆と言う字を書く道具には,少なくとも3つの時間軸が重なっていると思います。

ひとつは,文字が人の意思を科学社会に残してきた長い歴史。もうひとつに,万年筆そのものが近代の知的営みを支えた道具であるという歴史。そして,最後のひとつとして,卒業生がこれから自分の名前で文章を書き,自分の判断で何かを決めていく未来です。

まず大きいのは,「書く」という行為そのものの重みです。歴史的に,文書を真正なものとして成立させる方法は,署名か印章でした。ブリタニカも,ローマ時代以来,文書の真正性を担保する主要な方法は署名または印章であったと説明しています。
また現代でも,文書の認証には「自署」が標準的な方法として残っていますよね。つまり,人が自分の名を自分の手で書く行為は,昔から責任・約束・意思表示そのものだったわけです。

この視点で考察すると,万年筆は「文字を書く道具」以上のものになります。

万年筆は19世紀末に,ルイス・ウォーターマンの改良によって安定したインク供給を実現し,1884年に特許化され,ようやく信頼できる筆記具として広まったと聞いています。これは,単に便利な文房具が増えたという話ではありません。近代社会で,契約・研究・教育・記録・手紙といった知的な営みを,より「長く」,より「滑らかに」,より「個人の手」に近いかたちで支えられるようになった,ということも意味しています。

万年筆は,歴史の節目そのものにも立ち会ってきました。1928年の不戦条約であるケロッグ・ブリアン条約では,署名に実際に金の万年筆が使われ,そのペンは現在も外交史の遺物として扱われています。第二次世界大戦の降伏文書でも,重要な署名に万年筆が使われました。つまり万年筆は、個人の日記や手紙だけでなく,国家間の約束や戦争終結のような,人類史の大きな決断にも伴走してきた道具でもあるわけです。

日本でも,万年筆は近代化と強く結びついています。セーラー万年筆は1911年に創業し,日本で万年筆製造を本格化させました。PILOTも1918年に,ペン先から軸まで国産化した万年筆の製造に成功しています。これは、

日本が「書く文化」を毛筆だけでなく近代工業製品としても自国で支え始めた象徴的な出来事です。

さらに,近年であれば2023年のG7広島サミットでは,日本政府が各国首脳への贈答品として広島のセーラー万年筆を選んだことにはさまざまな想いが込められていることがわかります。万年筆は今でも,軽い消耗品ではなく,日本の伝統工芸・知性・外交的敬意を託す品として扱われているとも言えます。

卒業とは,単位を取り終えたというだけではなく,「これからは自分の名で書く」という節目とも言えます。研究でも,仕事でも,申請でも,報告でも,手紙でも,社会に出れば自分の名前の重みが増していきます。万年筆を贈ることは,「自分の言葉を持ちなさい」というメッセージでもあります。

万年筆は,ボールペンよりも少しだけ,使い手に姿勢を求める道具です。筆圧任せではなく,「角度」や「速度」に気を配る必要があります。インクを補充し,手入れをし,長く付き合う。これは,万年筆を通して自分の言葉を大事にしてほしいということです。使い捨てではなく,整えながら使う。便利さだけでなく,痕跡を残す。速さだけでなく,考えて書く。

万年筆の文字には,その人らしさが出ます。

同じ文章でも,筆跡には迷い・勢い・慎重さ・温度が出ます。デジタル文書が均質化する時代に,手書きは「その人がそこにいた」という証拠を残しえます。歴史資料として価値をもつ手紙や署名がそうであるように,手書きは人格の痕跡です。卒業生に万年筆を渡すことは,知識だけでなく,自分自身の言葉と筆跡で人生を刻んでほしい!という願いでもあります。

です!

修了生には,別のものを贈っております。これまた,色々なことを考えていますがわかるかな(笑)

今後とも,研究、教育,産学連携と”友野研究室”という環境を通して世界に貢献していきたいと思います。今後とも応援よろしくお願いします。

応援!いつもありがとうございます。(‘◇’)ゞ

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