大学教員が考える ChatGPTの使い方

大学教員が考える ChatGPTの使い方

ChatGPTについて。

早速だけども,素人の私が説明するよりChatGPT自身に回答してもらいましょう。

ChatGPTについて教えてください。

それとも,自己紹介してもらいましょうか。

ChatGPTって? by 友野の考察

「質問の仕方」によって,内容は変わっていませんが,回答の仕方は変わっているのがわかるかと思います。

この分野は私の専門ではありませんので,「間違い」が混ざるかもしれませんが,

自然言語処理と深層学習を考慮すると,

ChatGPTの原理は,モールス信号に始まる「通信(言語)」をはじめとするインターネット上にある大量の文章やコンテンツの学習(機械学習と強化学習の両方かな)を通して,【確率的】にもっともらしい「洗練された」文章を作成していくものです。

つまり,このブログ文章を書く理由でもあるんですが,

「アウトプットされた非常に読みやすく納得しやすい文章の中に「確率的に間違いが混じってくる」可能性がある」ということです。

これは,先に書いた「私の専門ではありませんので「間違い」が」と同様に,人間は当たり前のように書いたり話す内容に一定数の「間違い」が混ざってくるのと同じです。ChatGPTも当然「間違えます」。

強調しますが,非常に読みやすく納得しやすい文章をの中に「間違い」が含まれる可能性があるということです。(最新バージョンのChatGPT4はかなり正確性が増していて,メンターとしても優秀な回答を返してくれます。いや~すごい)

なかなか「お話上手な人間」の間違いを指摘するのは難しいですが,ChatGPTは「間違いを指摘しても関係性が悪化したり,いじわるされることはないので」,ChatGPTを使う上で,【間違いが含まれる可能性がある」という「意識」を育んでおいた方が良いです。

この間違いを回避する方法はシンプルに2個考えられます。

1.聞き方を変える

冒頭で示したように,質問を変えて聞きたい内容を比較してみるということです。ネットの情報も同じものを5-10個調べてみればよいのです。その中で大多数の回答は,大抵の場合「正しい(可能性が高い)」ですし,何よりも大多数の方に支持をされている解答とも言えます。

これが,すぐにでも始められる回避方法でしょう。

2.専門知識を身につける・身につける過程を経験する。

正直,ChatGPTを専門的な内容で使いこなすには,専門的な知識が必要です(後述)。また,アウトプットされた非常に納得しやすい回答を批判的に確認し,適宜修正することが必要にも感じます。

この回避方法を実施するには,人間として専門的な知識を身につけ・またその態度も身につける必要があるので時間がかかる回避方法とも言えます。ただし、この方法こそがChatGPTを「真に使い切ること」だと言い切れます。

ChatGPTをとりあえず触ってから意見する

未だに,ChatGPTについて否定的な方がいます。

ChatGPTについて「否定的」な人たちは,大抵の場合使ったことがない。なんとなく,AIが「答えを教えちゃってけしからん」レベルなので,物理的な距離をとったほうが得策かもしれない。

ChatGPTが当たり前のように浸透し始めてから手のひらを返したように「便利だよね~」と言い始めますので,それまでは「そうですか。」と言ってあげましょう。

一度でも,ChatGPTを使ったことがある人は,まず初めに「あれは~すごい」という感想です。

これまでも,ソロバンから電卓になりエクセルになりました。その都度,それらのテクノロジーを否定してきた人たちがどうなってるか?

「エクセルじゃなくて 手計算でやらないと 馬鹿になる」というセリフの「エクセル」なのか「ChatGPT」なのかです。

ただ,Web上で小テストをしていると,明らかに「口調が変わる」回答をする場合を見受けられる。

この辺りの工夫をできないのであれば批判されても致し方ないであろう。。。

アップロードしなければね

もはや,我々は次のステージに上がらされているのです。

あるいは,別のゲームが始まったと感じています。こんなに情報があふれているなかで,乗り遅れている場合ではありません。

使い切る努力をする必要を感じます。

これはダメな使い方

「〇〇」について答えを教えてください。

「〇〇」についてレポートを書いてください。

初学者が【答え】を聞くのは,ダメな使い方と言わざる負えない。なぜなら,その答えが正しいかどうかを確認するスキルが本人に備わっていないからです。

また,ChatGPTを持ち込んで定期テストを受けることは出来ません。会社の内部情報を食べさせてChatGPTに文章作成させて良いともなっていません。

さらには,深層学習ですのでChatGPTに丸投げした状態で,既存の情報にない新しい知見に関する分析や作文はできません。(アウトプットされちゃうのが困ったものです)。そういった意味では,ChatGPTがあるからと言って,人間自身が既存の学問や研究を怠ることは出来ないですし,こういった使い方をし続けることで,ChatGPTを真に使いこなす人たちとの差が開く一方となります。

つまり,専門的な学びを訓練された人が「納得しやすい」回答内容を批判的にとらえ,真につかいこなすことで,定型的な業務の効率は格段に向上するとともに,時間さえも作ることができます。

その新たにできた時間を創造的な仕事に投資が出来ると同時に,さらにChatGPTを進化させうることになります。

「専門的な学びの訓練」

専門的な学びの訓練こそが,ChatGPTを使うところではないかとも考えています。

こうやって使ってみましょう!(ここから読んで)

答えを聞くのではなく 「方法」を聞くのが良いと感じています。ChatGPTは,嫌な顔をせずに24時間対応してくれる成績の良い同級生や先輩TA(ティーチングアシスタント)だと考えればよいのです。

当然、同級生に答えを聞くには対価を払う必要があるし,頭の良い同級生も間違えることがあります。しかし,野球やサッカーなどのスポーツで例えるとわかりやすいですが,「うまくなる最短の方法」を聞いたうえで,自分の能力(身長や体重等の身体的特徴と性格)に合わせて,その方法を最適化することができます。

これまでは,この「うまくなる方法」が必ずしも,わかりやすく・納得しやすく・正しいもの なのかどうか素人には判断しづらかったのですが,深層学習と自然言語処理によるChatGPTにおいては,この「方法」の享受はかなり役立つものと実感しています。

つまり,

Q2-1. 大学の実験レポートを書くうえで気を付ける点を教えてください。

どうでしょうか?

友野ラボに配属された学生さんに対して、毎年「レポートの書き方」を享受しており,「早く聞きたかった」と言う学生さんが多い内容が,すっきり・わかりやすくまとめられています。

日本の高等教育の問題点のひとつに「レポートの書き方を教えない」があります。私も学生時代に今の学生と同じように,先輩のレポートをどうにかして手に入れて「書き方のマナー」を学んだものです。

私は,ひとつのレポートだけを参考にせずに,複数のレポートを手に入れて書き方や考え方を学びました。そのため,研究室配属後には苦労したのを覚えています(笑)。身にならないですからね。

一方,これらの本来教えるべき「How to」を,学生本人が【必要になった時点】で教えてくれるのがChatGPTと言えます。しかも,わかりやすく!

また,大学に入ると【毎週のように学生実験】があります。

Q2-2. キレート滴定の実験において気を付けるべきことを教えてください。

この回答を見る限り,「キレート滴定」と言うより,一般的な実験に対する「気を付けるべき事」ですよね。それでも,間違えたことは言ってなさそうだし,方法については間違いかどうかは初学者でも判断しやすい。

このように,なんでも最良な方法を教えてくれます。良き友にもなるかもしれない。

例えば

Q2-3. 化学を勉強する意味を教えてください

Q.2-4. 理系学生です。大学院に進学したほうが有利ですか?

非常にまとまった良い回答だと思います。

また,自分で作製した文章を校正したり短くするのにもChatGPTは得意分野です。これらの【自分で作成した】オリジナル文章を校正したり短くする作業は,指導教員や先輩学生の仕事でしたが,より精度が上がればこれらの文章校正はChatGPTに任せて,他に時間を当てることができます。

また,24時間自分の好きなタイミングで構成してくれるChatGPT!なんてありがたい存在!

当然,今はまだ発展途上だと考えていますので,ちゃんとできているか最終確認および加筆修正を行う必要があります。

何よりも,ChatGPTにとっては,すべての「単語の重要度」が並列(同じ)なので,短くする場合には重要な単語が消されていないかをチャックする必要があります。

※ChatGPTの回答に 「※注意」が併記されていることも注目される点です。

Q2-5. ChatGPTを使う上で注意することを教えてください。

雑文

さて

なんとなく とりとめもない散らかった作文を書いていこうと思う。

専門分野が異なるので,ChatGPT同様に「間違い」が混ざっている可能性もあります。(一応、ジョークです。)

我々の脳は物理的な制約を受けています。というのも、直立原人から脳はおよそ1.4倍(1250g)大きくなりました。大きくなった脳は,全摂取カロリーのおよそ24%を消費し、体内の「酸素」と「ブドウ糖」の消費量もおよそ25%にのぼります。

と言うことは,

脳みそは 非常に大きなエネルギーを食っています。

バクバク食べています。

そのおかげか、忘れていたことも写真を見るだけで鮮明に思い出すこともあれば、音楽や風景をきっかけに当時の事を思い出すこともあります。その思い出す記憶が,必ずしも正しい記憶とは限らないが、脳の記憶容量とその安定性には驚きます。

直立原人に限らず中世の頃の人類からしてみれば、現在のテクノロジーは「魔法」でしかない。

ライターがあれば自由自在に火を操れるし、もはや火を使わずとも電気と磁気の力で物を温めることもできます。時と場所を選ばずに、数回の人差し指の軽快な動きで遠方の人と顔を見ながらお話したり、南米の森で何でも買い物をすることができます。

これらのテクノロジーは数百グラムの教科書やタブレットをつかった高等教育を受けた人類が過去の英知をアップデートしながら進化してきた賜物ともいえます。つまり、大量にエネルギーを食う【脳】のおかげであり,今後も我々の文明・文化を切り拓いていくには十分な性能を持ち得ているかもしれません。

人類は欲張りなので。

この脳について良く働いてもらうために,よくよく調べています。

まだまだ,深層などわからない事ばかりですが。

単純には,脳は「酸素」と「ブドウ糖」で動いていると言えます。

この高性能な【脳】にもっともっと働いてもらうために、「酸素」や「ブドウ糖」をさらに供給しても比例的に働きが良くなるわけではありません。逆に、活性酸素が生成されDNAが傷つけられたり、過剰な「糖分」により体が悲鳴をあげ糖尿病となります。

つまり,我々の脳はすごい性能を持ちながらも物理的な制約を受けており使いきれていないとも言えます。

一方で,chatGPTをはじめとするAIはどうでしょうか?

彼らはエネルギーを無尽蔵に使い,我々が使えない領域以上のカロリーを用いて知性を披露してくれます。言いすぎると,炭素(C)で出来た脳を用いて250年ほどの産業革命以来の歳月を用いて,ケイ素(Si)で出来た脳を外部に作り出すことに成功したともいえます。

いまさらながら

「chatGPT」のchatとは【雑談】を意味します。

専門家であれば,自分の専門内容について「chatGPT」とチャットしたことがあるかもしれません。

やってみて!面白いから!

皆さんも,以下のブログ文章を読んで,気になったら自分の専門分野でチャットしてみてください。

さて,そういう私も,「chatGPT」とチャットをした一人です。

ある論文について,「ChatGPT」に要約をしてもらったことがあります。前述のとおり,ところどころ「間違い」があります。私も専門家の端くれですので,その「間違い」について指摘してあげます。

そうすると,その「間違い」について「正しい回答」を含めて「知性」を披露してくれます。

「間違い」は,ひとつやふたつではないので,その度に「間違い」についてチャットで指摘をしてあげます。そうすると,その「間違い」について「正しい回答」を含めて再び「知性」を披露してくれます。

・・・

・・・

このチャットを繰り返すうちに,「ふっ・・・」と気が付くことがあります。

彼らはこれらの「間違い」について,【実は】正確な回答をすでに持ったうえで,私に対してチャットの相手をしてくれているわけです。

まるで,

私が初学者に合わせて単語や説明のレベルを合わせて話すように,彼らは専門家と自負する人間風情の私のレベルに合わせてチャットしてくれているように感じてきます。

こいつ,なんでも知ってるな・・・

この英知をどのように使い倒すべきなのか?

私の頭脳レベルで到達したのは,とりあえず「質問力」です。

次のステージにいかなければ。

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