研究内容と研究生活/ Research Area & Lab Life

廃棄物シリコンのリサイクル/ Recycling of Kerf Loss Silicon

未来のクリーンエネルギーの一つに,太陽光発電があります。WBGU(ドイツ連邦政府地球気候変動諮問委員会)のエネルギービジョン2100によれば,エネルギー供給割合の3分1を太陽光発電(残りの3分の1を太陽熱発電)で賄うことを推奨しています。様々な素材の太陽光発電が研究されていますが,耐久性・信頼性・クラーク数の観点から,Si系太陽光発電は今後も利用され続けると予想されます。
一方,SiインゴットからSiウエハーを作製する工程で50-60%のSiの切り屑(kerf loss; 廃シリコン)が排出されます。この廃シリコンには高純度シリコンが含まれていますが,不純物の完全除去が困難なため、特に有効利用されることなく廃棄されています。
 本研究室では,化学的手法(ブロモ化法)により廃シリコンからブロモシラン(SiH4-nBrn)としてシリコン成分を抽出します。この抽出したブロモシランの有効利用に関する研究を通して,社会に還元していきたいと思います。

本研究課題は,私にとって”研究しなければならない課題”と考えています。

高付加価値化;廃棄物シリコンからブロモシランとしてシリコン成分を回収
学術的な特色;ブロモシランの性質は学術的な知見が極めて少なく,研究成果のすべてがブロモシラン系化合物の学術的解明に直結
特色;ブロモシランは常温で液体であり,貯蔵・運搬・ウェットプロセスにおいて有利

機能性薄膜の創製/ Creation of Functional Thin Film

金属錯体は,中心金属や配位子を合成化学的に容易に変更することでき,その諸物性を好きなように変更できる可能性があります。境界(界面)にある金属錯体は,固体結晶や溶液中での長距離秩序における金属錯体の物性と比較すると,その秩序が破れているため異なった物性を発現することが知られています。
 Birnessite型MnO2は,MnO2層が積み重なったサンドイッチ構造(層状構造)をとっています。MnO2中のMnはIII価-IV価の混合原子価状態であり,Mn(III)に由来して負に帯電しています。この層状物質は,層間に正電荷の物質を取り込むことで電荷補償を行っていると考えられます。これまでに,様々な層間イオンを持ったMnO2が報告されています。また,多段階(Layer-by-Layer法など)による作製法が報告されています。
 本研究室では,電気化学的手法を用いて金属錯体を層間にもつMnO2薄膜をワンステップで作製することを見出しました。現在,様々な金属錯体を導入し,金属錯体の光・電気物性を付与した機能性MnO2薄膜の創製を行っています。

本研究課題は,私にとって”研究し続けたい”課題です。

性能複合化:キャパシタ材料である層状マンガン酸化物に機能性物質を挿入することで性能を追加
低次元反応場:層間は二次元空間であり,低次元空間における物質の短距離秩序による変化
触媒:特異空間における低エネルギーでの反応促進

>> ヒト・コト・モノ;三井アウトレットモール@横浜ベイサイド に掲載されました >> コチラ

研究室の紹介ポスターです。

2024年時点で 4つの研究班があります。

1.キャパシタ班

2.電池班

3.水素班

4.吸着班

他、産学官連携活動の活動の様子を掲載しています。

研究生活/ Laboratory Life

研究室見学/ Laboratory Tour

研究室の様子はブログからも知ることができますが,実際に訪問して確認されるのが一番です。研究室見学は随時行っておりますが,下記はお守りください。

  • 予約の必要もありません。いつでもお越しください。(不在時は申し訳ありません。学外の方は要予約)
  • 平日13時以降でお願いします。(※研究室見学でーす!と言ってラボに入ってきてください。)
  • 研究に支障をきたさないようにご注意ください。振動によって測定データにノイズが入ると学生さんが悲しみます。(24時間以上測定を自動で回していたりするので泣いちゃいます。)
  • 他の研究室のことは,その研究室に聞いてくださいね。(先入観や偏見は将来が狭くなります。)

研究室見学時には配属学生さんから「友野研究室のメリット・デメリット」を何でも聞いていただいて構いません。学生さんには「友野研究室の事であれば何を話しても構わない」と言ってあります。研究室見学時期には、様々な「噂」を聞くでしょう。これから研究者となる訓練だと思い、「自分の耳で聞き、自分の目で知る」ことを推奨します。噂で物事を判断する視野の狭い学生さんは、友野ラボとは合わないので志望する必要はありません。私と直接お話をしたい場合は,不在であれば配属学生に呼んでもらってください。授業同様,時間の許す限り対応いたします

3回生の皆さんからすれば研究室を訪問したり,各ページを見ても,授業と違って内容が難しく思えるかもしれませんし,自分はついていけるだろうかと思うかもしれません。しかし,その点はあまり心配しなくても大丈夫です。配属学生さんが誰しもが通ってきた道です。初学者の皆さんには担当の先輩付きますので,器具や薬品の使い方から,装置の使い方および解析,さらには実験結果をどのようにフィードバックして活かしアウトプットするのかなど,一連のアプローチをしっかり指導させていただきます。当ラボのモットーとして,これらの一連のアプローチを【社会に出るまでに自身ひとりだけで測定から解析までを出来る】ようになってもらいたいと考えています。ディスカッションは24時間します。研究室配属後はLINEを交換します!

私の授業を受けたことがあれば一目瞭然ですが、その場で終わる暗記ではなく生涯にわたって学問(活用法)の面白さを知ってもらいたいと常々考えています。当ラボには教員を目指す学生さんがいますし,実際に教壇に立たれている先輩(中学理科・私立高校化学・工業高校化学など)が多くいてラボを通して直接コンタクトを取ることもできます。当然、教員志望以外の学生さんの方が多いので、その学生さんにもコンタクトを取ることもできます。先輩には、後輩への研究指導を通して,【伝えるスキル】を磨いてほしいとも考えています。(就職後にも必要ですし。)

就職活動に関しても自由にやっていただいて構いません。全面的にサポートします。具体的には、履歴書の添削から自己分析そして面接練習など、本人が満足するまで何度でも対応いたします。私のオムニバス形式の授業で聞くかと思いますが、就職活動を始めると必ず「志望企業に落ちる」ことを経験します。この経験はメンタルにきます。そのため、絶対ではありませんが、就職活動時期こそ「時間を見つけて研究室に来る」ようにしましょう。私(あるいは先輩)とお話しすることで前向きになりますし、企業の面接官とのコミュニケーションの練習にもなることに気が付くことになるでしょう。また、落ちたときの面接の話などをしていただければどこがまずかったのかも一緒に検討します。研究室なのに就職活動をサポートする理由は至極単純です。満足する就職活動後には、社会で活躍してもらうために色々な事を学ぶ必要があります。まさにこの色々な事を学ぶ方法として、「研究を行いアウトプットすること」が近道です。当ラボでは、研究の進め方から資料作成・プレゼン等々のアウトプットまでノウハウを徹底的に身につけて学部4年生の1年間を終わってもらいます(学生の受賞歴を参照)。就職で内定をもらうまでがゴールではなく、社会で活躍してもらう必要があると考えているからです。

では、一緒に世界を変えましょう。

研究室の選び方( YouTube動画 )

研究室の選び方について,持論をお話ししています。他大学の学生さんも参考になったとDMで連絡をくれたりするので、きっと良いことを話しているんだと思います(笑)

大学院試験の勉強法

所属大学の大学院に進学する内部進学や他大学の大学院に外部進学する二通りがあります。どちらもよい点もあれば悪い点もありますが,学生さんにとって現在所属している研究室を変更することに悪気を感じ,周囲に対してあまり相談できないことがあります。(当ラボは外部進学でも応援する感じです>コチラ)

他大学の大学院進学をメインに,大学院試験の対策について語りました。

また,大学院進学,特に修士課程についてのメリットもお話しています。ざっくりいうと,働きながら博士は取得できますが,修士の学位はなかなか難しいです。

研究会とゼミ/ Study Group & Seminar

毎週金曜日の午前中~から行われます。授業や学会等で変更されることもあります。各人,おおむね月に2回は発表を行います。

配属後に必ず一度は読んでほしいブログ集

データベース(SDBS & NIST)を用いた化学スペクトルの見つけ方・使い方 >> https://tomonolab.com/2022/11/24/database/

無償のNMRスペクトル予想の使い方>> https://tomonolab.com/2024/08/27/freenmrdb_org/

研究進捗 (Bi-Weekly Report)

直近2週間で,自分がどのような【目的】で実験を行い,【結果】についてどのように【考察】しているのかをパワーポイントを使って発表する場です。私や先輩からの助言に加えて,同期の学生さんがどの程度理解してくれたのかのコメントをもらう機会です。学部4年生は5月ころから行います。

論文紹介 (Current Topic)

国内外の学術論文を読んで,まとめて発表する場です。自分の研究に近い内容でも興味のある内容でも何でも構いません。学部4年生も5月ころから行います。学術論文の読み方および構成については説明します。学術論文の見方が変わります。(※【学術論文の読み方】、【特許の読み方】を参照)

※「わからないことはすぐに聞く」も大事です。効率よく進め「こだわりたい」ところに時間を割いてください。

年間スケジュール/ Annual Schedule 

年間を通しての研究室の予定は以下の通りです。コアタイムはありませんが,週に1回ゼミ(研究進捗と論文紹介)があります。下記スケジュールは固定されていません。また,当ラボは産官と積極的に関係を構築しますので,下記スケジュールに各種イベントが追加されます。さらには,学内においても横断的なつながり構築を行っていきます。配属学生が実験や資料作成する部屋については,学生内で相談していただいて運営していただいています。私からの要望としては,実験するときは「安全眼鏡とゴム手袋」「粉体を粉体として扱う場合はドラフト必須」です。安全に実験を行えますよう指導しています。また,配属学生にもアイデアをいただきながら、学生とともにより良い研究室ライフを作っていきたいと考えています。自分の成功に遠慮しないようにお願いいたします。
※なお,友野が休日は家族サービスでお休みなためレスポンスが遅いです。皆様も家族を大切に。

4月新体制での研究室始動です。お花見もできればいいですね。産学官との挨拶周りもあるかも。
5月卒論製本/ 卒業生が訪問
6月院試の準備・秋期学会のエントリー
7月大学院試験/ 教員採用試験/ サポート(面接対策・ESやCV添削)
8月お盆休み
9月新3年生歓迎会/ 錯体化学討論会
10月CSJ化学フェスタなど、 秋季学会に参加 
11月理工/建築環境学会 の学内学会に参加/ OB会
12月春期学会エントリー/ 大掃除/ 忘年会/ 正月休み
1月卒業論文・修士論文の要旨 提出
2月修士発表・提出
3月卒論発表・提出/ 化学工学会学生発表会/ 日本化学会年会/ 卒業式
※感染症前のスケジュールを記載しています。

※実力と経験という武器をしっかりと身につけて,社会においてさらなる実力と経験値を得てください。