当ラボには,QiDi Tech社製のX-Smartがあります。他のブログで,無料データの印刷方法や無料サイトを紹介していますので,そちらもぜひご覧ください。
さて,FMD(Fused Deposition Modeling/ 熱溶解積層)方式も使い倒してきました。次は光造形(SLA; Stereolithography)方式の3Dプリンターも分解・・ではなく,触ってみたいですよね。今,気になっている光造形3Dプリンターはコチラです。
QiDi Tech社 QD-Box ;215mm(L)×130mm(W)×200mm(H) 20cmサイズの印刷ができる!
光造形方式で気になるのは3点
- レジンのにおい
- レジンの色の種類 (少ない)
- 印刷後の後処理 (装置自体および造形物もアルコールでレジンをふき取ったり等々)
ただ,FMD方式に比べて、表面が「ツルッ!」としていて精密度なモデリングには優れていますよね。値段も光造形とFMD方式であまり変わらないようなので,1回だけ印刷してみたい!というのが正直なところです。
1回の印刷であれば,Qidi Tech社製Shadow5.5やAnycubic社製Photon MonoやElegoo社製Mars2でもいいんじゃないのかな?と記事を書きながら思い始めてきました。当ラボで使う手作りの実験キットも表面がツルツルである必要もないので。
3Dプリンターの歴史
3Dプリンターを世界で初めて考えたのは、名古屋市工業研究所の小玉秀男さんです。1980年に特許出願しましたが,国内で興味を持つ企業さんが現れなかったそうです。同時期にフランスで研究していたハー・ハーバード(Alan J. Herbert;フランス)も「自社(3M)で誰にも評価してもらえない」と小玉さんとやり取りしたそうです。そして,小玉さんが留学期間中に出願審査請求の7年が過ぎて失効しました(3Dプリンターで特許を逃した僕の「失策と教訓」@日経ビジネス)。審査請求権が失効した1987年に,1982年頃より研究開発を行っていたチャック・ハル氏(Charles W. Hull; アメリカ)が3Dプリンターの基本特許を取得し,世界最大の3Dプリンター会社「3D System」を創業しています。(資料)
参考文献
- 光造形の初めての特許:特願昭55-48210(特開昭56-144478)「立体図形作成装置」
- 光造形の実証実験論文:H. Kodama, “Automatic method for fabricating a three‐dimensional plastic model with photo‐hardening polymer”, Review of Scientific Instruments, 52(11), pp. 1770-1773 (1981). [DOI]
- Alan J. Herbertの論文:A. J. Herbert, “Solid object generation”, Journal of Applied photographic Engineering, 8(4), pp. 185-188 (1982). [DOI]
- Charles W. Hullの特許:特願昭60-173347(特開昭62-035966)「三次元の物体を作成する方法と装置」(US-Patent 4575330)
>> 特許庁:国内特許検索(J-Store)
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