大学教員による【初心者向け】YouTube授業動画の始め方 その2 動画作成の利点(時短)!

大学教員による【初心者向け】YouTube授業動画の始め方 その2 動画作成の利点(時短)!

備忘録として,これまでYouTube動画作成で得た経験や知識を公開します。

はじめに

さて,このブログにたどり着いた先生たちは,自身の授業動画をYouTubeにアップしようとほんの少しは考えている人だと思います。

(※なお、教員志望の学生さんなど,YouTube動画をアップしたい人も読んでいただければ写真付きで説明しています。)

前回の記事(その1)では,YouTubeチャンネルの解説をご紹介しました。>> コチラ

今回は,動画を上げる「利点」です。

大学教員がYouTube授業動画を始める利点

コロナ禍のおかげで,授業動画のストックはあるでしょうから,是非とも色々と編集して,学内外に自分の授業動画をアップロードすることで,自分の授業を見直すきっかけになればと思います。みたいな・・・

はじめに,
マインドを説明

尚,このマインドは「これから研究室に入る学生さんの立場になって考えてもメリット」しかありません。

組織に属さないフリーな方以外は,読んでいただければ

「俺も、、、始めてみようかな」

と感じると思います。

中小規模の研究室を運営している研究者あるいは授業を持っている研究者の方は,研究室に配属された学生さんに対して一度は必ず思うことがあります。

「授業でやったよね・・・」 です

先に言っておきますが,学生は1nmも悪くありません

私も含めて教員が”勝手にがっかり”しているだけです。

さて,

>> なぜ 授業内容を覚えていないのか?

そりゃ,当たり前です

>>> 研究で使うかどうかなんて知らないからです。

>>> 授業を受けていた先生の研究室に入るなんて学部1-2年の学生さんは想像もしていないです。

我々,研究者だって,使うかどうかわからない装置の原理なんて「うる覚え」でしょ?!

それを学生さんに求めるのは「酷」ってもんです。

でも,覚えていてほしいですよね。(手間だし!)

もう,感の良い人はお分かりのとおり,これを解決できるのがYouTube授業動画です。

研究内容の引継ぎについて

さて,【手間】と書いた理由も説明しておきます。当ラボはエネルギー創生と貯蓄に関する研究を行っています。>>研究業績はコチラ。>> 研究装置はコチラ (測定から解析を熟知して学生は卒業します)

さて、

研究室には,学部3年の秋学期から配属されます。

学部4年生で卒業する学生さんにとっては,【1年半(18か月)】の研究生活です。

お忘れかもしれませんが,この研究生活には就職活動の期間が含まれています

学部4年生以上の修士の学生さんがいれば,研究装置の使い方からアウトプットの仕方まで指導を分担できますのでだいぶ助かります。

修士学生さん!!

マジありがとう!学部学生の指導も将来に活きます!

研究の引継ぎは,なかなか細部までは「学生本人が困って先輩に聞いた時に初めてちゃんと引き継がれるもの」で,引継ぎには完璧というものがないと言えます。

先輩としても後輩としても,ちゃんと引き継いでいるつもりでも「実際に手を動かしたり,トラブルに直面して対応したこと」がなければ,先輩の経験を「すべて」引き継いだとは言えません。

会社でもそうでしょ。

完璧がなかなか難しい「研究内容の引継ぎ」。

これを,研究室を運営している先生や先輩たちが,研究を進めていく過程で,【その都度】説明しています。会社でも引継ぎ後もサポートしますよね。あれと一緒です。

学生のため・研究のため・世界をより良くするため,手間を惜しまず指導しています。

「授業でやったことを覚えておいてもらいたい!」と先生が思うのも「ほんのちょっぴり」許してあげてください。

YouTube動画を始める利点

さて,引継ぎ問題について,「この本で調べてみて」や「あの授業で説明した」とかもありますよね。

研究室ホームページに授業資料をアップしている先生は,この辺りを考慮していると想像できます。

とはいっても,

  • 【学生】この研究内容を解決するために,この本のどこ見ればいいの?
  • 【学生】読んだけど,よくわからん。
  • 【先生】(違うとこ,読んできたな・・・)
  • 【先生】(ここ読んで,というかところどころ大事で,結局,全部大事だな・・・)

ですよね。

これを,解決したのがYouTubeの授業動画です。

キーワード

とりあえず、この授業動画みてみて。

とりあえず、この授業動画みてみて。」

という魔法の言葉の後に,内容を補足するだけです。

ゼロから教える必要はありません。

自分の分身がYouTubeにいるからです。

自分の分身に任せられるのです。

YouTube動画が研究を円滑に進めていく上でのラボの財産

となる訳です。

授業の振り返り

編集作業は,別の記事でアップしますが,この編集作業がなかなか良かったです。めんどくさいんではありますが,自分の授業を客観的に聴講することができます。

この辺 説明が雑だな~

とか

この辺 もうちょっと詳しくやったほうが 次のこれがわかりやすいな

みたいな。極めつけは

これって、こうやったら今の研究に利用できるんじゃん??

っていうのもあります。

オープンキャンパス

コツコツ撮り続ければ,オープンキャンパスに提供できる授業動画もできてきます。

受験生にとっても,大学の授業がどんなものなのか伝えることができます。

授業動画を作成するモチベーション

モチベーションは人ぞれぞれかと思います。私の「一番めんどくさい」は撮影準備でした。

いざ,撮影しようと思った際に,「カメラ位置」「黒板の位置」「照明の位置」「あんちょこの場所」等々,モチベーションが下がる原因です。

「今、やろうと思ったのに!(夏休みの宿題のようなイメージ)」

そこで,簡易的なスタジオを作りました。基本的にしまわず,出しっぱなしです。

  1. 三脚にカメラをセット (地震で倒れて壊れたら泣いちゃうので,毎回三脚から外しています。5秒で取り付けです)
  2. あんちょこ用意して (パサッと置くだけ)
  3. 照明持ってきて   (床に目バリを貼ってます。)
  4. 録画ボタンしてぱっと見の画面構成を確認して (たまに,三脚の位置がずれている)
  5. 撮影スタート

撮影スタートまでに,5分もかかりません。

使用機材選定の「ノウハウ」

三脚

三脚も色々購入しました。2点こだわりがあります。①個人的には185cmまで高さがある,②一脚兼用の下部三点式がおススメです。

① 色々な方の動画を見てお分かりの通り,若干「目線より上かほぼ同じ」から撮影しています。私の身長は185cmなので,それと同等の高さまでのびてくれないと「上目づかい」となりません。

② 下部の三点式でないと,かなりスペースをとります。簡易的なスタジオを作るには,コンパクトが必須です。ただ,上部の三点式と違って,見た目が不安定な感じがするのでカメラは外しています。

黒板

これは,失敗しました・・・というのも,高さが169cmしかありませんでした。なるべくコンパクトにしようと考えて,横幅が200cmと180cmで悩み・・・180cmを購入しました。

届いたら,高さが169cmしかないというオチです。

私は185cmあるので,立って授業をすると頭が出ちゃいます。

ご存じの方もいるかと思いますが,座って授業しています。

カメラ

YouTube開始時ならまだしも皆さんの動画作成のスキルは非常に高いです。

それは,動画の解像度にも高い要求が求められます。

ということで,ビデオカメラについては良いものを準備しました。

なお,中田敦彦さんと同じシリーズのビデオキャメラです

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