さて,ビスマス結晶作りです。
ビスマス(Bismuth)は、化学元素周期表において15族元素に位置する金属です。その化学記号はBiで、原子番号は83です。ビスマスは、古くから知られている元素であり、古代エジプトや古代ローマなどの文明でも使用されていました。
▼ビスマスインゴット
そのピンクやピンクがかった白色の外観は、他の金属とは異なる特徴です。
ビスマスは低毒性であり、その特性から医薬品や化粧品などの製品にも使用されています。また、ビスマス合金は、低融点合金やはんだ付け材料としても重要です。
また,古代からビスマスは利用されており、古代エジプトや古代ローマでは化粧品や磁器の着色剤として使用されました。中世には、ビスマスの合金は印章や食器の作成にも利用されました。
このビスマス結晶を 溶かして,結晶化させると
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その独特の外観や結晶構造から美しく、綺麗な鉱物として知る人は知る結晶です。
今回、学生さんもやったことがないということで,社会に出る前に経験しないということで,ビスマス結晶を実施しました。
ビスマス結晶作りの方法
方法は,至極簡単でビスマスインゴットを溶かして冷やすだけです。ビスマスの融点は「271.4℃」なので,自宅のコンロやガスバーナーなのでも簡単に溶かすことができます。
ただ、 271℃という高温の溶けた金属です
危ないです!必ず,入念に準備してやりましょう。
イベント時に,「ビスマス結晶の体験できますか?」と質問されますが,1対1でやるぐらいではないと難しいイベントですね。
器具一覧
今回は以下の器具を準備しました。
ステンレス製計量カップ
深いほうが立体的な結晶を作りやすいです。
三角架
直火のほうが早く溶けます。金網は熱が逃げやすいので,直にステンレスカップをあたためます。
軍手
こういった熱いモノ系には必需品です。
三脚台
ガスバーナーで火力調整して実施する場合には必須アイテムです
あとは,熱いステンレスカップをもつためのペンチ等があれば準備万端です。
実験!
とにかく
インゴットを入れて
ぐつぐつ溶かしていきます。
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佐々木さんもいつもに増して真剣なまなざし
そして,溶けたところを見計らって
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ザバーっと流して,壁面についているビスマス結晶を回収するのが安全で簡単な方法です。
結晶ができた直後は,銀色ですが,冷却される過程で酸素の膜が形成されて
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銀色→青→ピンク へと変化します。
めっちゃ熱いので、安易に触らないように。
ステンレスカップの中は
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結晶の体積が大きい場合は全体が冷えるのに時間がかかるので,酸素の膜の量も多くなるのでピンク色まで変化する。
そして,結晶の体積が小さい場合は冷えるのが早いので,酸素の膜の量が少なくて青色になると考えられます。
この辺りも系統的にSEM-EDSか何かで冷える時間と酸化被膜の量をとるとわかるかもですね。
この冷えていく過程も見ていて楽しいです。
それから
結構、”ゴミ(ビスマス酸化物)”も出ます。
酸素の量でいろいろな色になりますが,その過程で酸素の膜(酸化被膜)が結構ぼろぼろととれる。
これはビスマス酸化物なので,もう一回溶かしても同じような結晶にはなりません。これを利用したい場合は水素還元等で酸素被膜を飛ばさないとダメでしょうね。
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皆さん、慣れた手つきでどんどん進めてくれるので助かります。
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応援!いつもありがとうございます。 (‘◇’)ゞ
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